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ワークショップ・ドキュメント(その1)

第1回 ワークショップ 7/31(日)オリエンテーション

 

2022年度「中之島に鼬を放つ」におけるリサーチ・フレーム枠のひとつ〈場所のナラティブ(物語)〉「都市のアルケオロジー(考古学)」は、演劇プロデュースユニット「極東退屈道場」主宰・劇作家・演出家の林慎一郎氏によって〈「中之島デリバティブ」パフォーマンス構想〉と銘打たれ、7月31日(日)午後1時大阪大学豊中キャンパス芸術研究棟1階芸3教室にてスタートした。制作の奈良歩さんと俳優の小笠原聡さんと現れた林さんは、この企画が、計4回のリサーチを中心にしたワークショップとフィールドワークを通じて、パフォーマンス作品に仕上がっていく計画であること、10月6日7日、吹田メイシアター小ホールにて上演予定であることを述べられたあと自己紹介をされた。都市を取材し、その断片をコラージュした演劇作品を作ってきたこと、近年は拠点の大阪を扱ったパフォーマンスを手掛けていること、代表作品の「サブウェイ」や「PORTAL」など5作品の写真を挙げながら、その概要を説明された。次に参加者の自己紹介に移った。条件があった。教室を大阪に見立て自分が今住む辺りを想定し、その席に座ってから語り出すのである。ワークショップには老若男女さまざまな人物が集まっており、席移動に若干混乱をきたしつつも定位置を確保して自己紹介をした。その数、30名。

休憩を取って3時から、企画「中之島デリバティブ」の説明に移り、林さんのレクチャーが始まった。過去に立ち返りつつも今とこれからを考えるのに最適の場所として中之島を選んだこと。理由は、中之島が阪大ゆかりの地で、今も中之島センターが建つこと。何よりここが江戸期から藩の蔵屋敷が立ち並ぶ商いの中心地であったこと。世界に先駆け新商法「先物取引(デリバティブ)」が生まれた場所であったこと。「先物取引?」と目が点になった参加者のため、YouTube「堂島米市場」(日本取引所グループ公式チャンネル)が用意されていた。「堂島米市場」とは世界初の先物取引所のことで、興味深く観る。シリーズもので全部見きれなかったので残りの視聴は宿題となった。さらに林さんの話は進む。「さて、江戸期の先物取引の指標は米であった。我々もなにわ商人のように1年後の大阪を予測するデリバティブをしてみようではないか? するならば指標は何だろう? 参加の皆さんが身近に感じるものから探してほしい。来年の大阪を全員で考えて、お互いの特技を交換してみよう。ある観点において大阪を毎日考え続けることによって生まれるメリットは何か? ひょっとして市民意識の自覚ではないだろうか?」などと述べられたあと、希望を考えておいてほしいと役割分担(リサーチ・出演・制作)と次回までのレポート課題が提示される。〈 ①あなたの立場から想像する1年後の大阪 ②本日の説明を聞いて取引できそうな大阪を示す指標/数値を挙げる。(箇条書きでよい。) ③バーターできる自分の資本は何ですか。 ④希望する役割 〉回答はGoogleフォームでとのこと。

終わると少し日の翳った午後4時。蜩の降りしきるような音声のなか阪大池を眺めつつ帰途についた。

記:岡田 祥子

ワークショップ・ドキュメント(その2)

第2回 ワークショップ 8/6(土)

 

第2回目WSの課題
① あなたの立場から想像する1年後の大阪
② 取引できそうな<大阪>を示す指標/数値を挙げる
③ バーターできる自分の資本はなんですか

 

8月6日(土)第2回目WSを開催。大阪大学豊中キャンパス芸術研究棟1階芸3教室。

受講生各位が作成した課題の 「一年後の大阪のマトリクス」発表を行う。
縦軸、横軸の設定が十人十色で、興味深かった。
多様な各位のアイデアを聞くにつけ、ああでもない、こうでもないと、逆に不安が高まってしまった感じがした。

 

指標・数値もマトリクス同様に、多彩なアイデアがでた。
各位が得心する指標が纏まらない中、林慎一郎講師からは、「100人に聞きました」形式で数値の推移を追いかける方法もある。とのアドバイスも受ける。
あなたの生活に影響するものはあるのか。 その数値が上がる、下がるで、あなたは今からどうしようと思いますか。等のコメントももらい、さらに深く考える作業が続きました。WS2回目では、各自の考えがまとまるどころか、逆に多くの意見を聞くことで、「デリバティブ脳」とは程遠い距離となってしまった感が強かったです。

 

第3回WS(8/20)の課題
・1年後の大阪 ・指標・数値設定 ・役割のチェックリスト記入

   記:伊藤 尚

ワークショップ・ドキュメント(その3)

第3回 ワークショップ 8/20(土)

  1.  中之島フィールドワーク
     ・ 受講生各位がそれぞれに思い思いのままに中之島をウォッチ散策する。
     ・ ウオッチ散策の後、 「アートエリアB-1」(16:00)集合し、
       大阪証券取引所⇒適塾跡⇒米市場跡記念碑などを皆で見学し、解散となりました。

2. 当日は、林慎一郎講師がコロナ濃厚接触者となり、欠席。
  永田先生が引率してくれることとなった。まさに、コロナの時代を実感した。
 

3. 大阪証券取引所 
  訪問が初めての人もいて、見学済み者(要事前予約)から、解説を受け興味深く見学を行った。
  私も、以前に訪れたことはあったが、課題をもっての見学は興味津々で楽しかった。

 

4. 適塾
  160年も前に、種痘事業やコレラ治療などの、医学市場の業績も、この適塾で生まれたことを知り、

  現在コロナで大騒ぎしているとき何やら因縁めいたものを感じながら見学ができました。

5. 米市場跡記念碑
  「一粒の米」安藤忠雄氏のデザイン協力によるモニュメント。

  なんで建築家が江戸時代の米のモニュメントと思うと同時に、

  2020年7月開館の中之島こども図書館も安藤忠雄氏の設計であり
  <一年後の大阪・中之島/デリバティブ>の頭に切り替えて考えたとき、

  林慎一郎氏の目の付け所に何やら凄さを感じました。

 

6. 堂島川で「ウナギ」 
  川鵜がウナギをくわえ、丸のみするところを偶然見ました。

  受講生(カメラマン/石井氏)がカメラで録画。また、ウナギ釣りをしている人にも出会いました。

  中之島、やはり何やら凄い所。

 

第4回 WS (9/3)の課題
・中之島フィールドワークのレポート提出
・今回のフィールドワークを取り入れ、一年後の大阪を深堀していくこととなる。

   記:伊藤 尚

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