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イタチペディア

一年後の大阪(2022 - 2023)

〔ここに記載されている内容は、大阪大学が主催する「中之島に鼬(イタチ)を放つ ー 大学博物館と共創するアート人材育成プログラム」の一環で、参加した受講生が未来の大阪を大胆に予測したものです。〕

概要

 

大阪(おおさか、: Osaka)は、日本近畿地方関西地方)の地名都市

現在の「大阪」は、近畿地方に位置する包括的地方公共団体・大阪府や、その府庁所在地であり西日本最大の都市・大阪市を指し、広い意味では大阪市を中心とする京阪神(近畿地方、大阪都市圏阪神都市圏〉、京阪神大都市圏近畿圏など)を漠然と総称することにも使われる。(Wikipediaから転記)

 

この町の未来は、楽観的な創造にあふれている。この町の人々は 、ポジティブなファンタジーを好み、模倣的で便利なものに価値 を置く。おもろいし。儲かるし。が重要で、これでも結構、愛国者。知らんけど。(「知らんけど」は大阪独特の表現であり、責任回避というより、照れ隠し的なニュアンスがある。)

地理・地形

 

大阪の中心地が北は土佐堀川、東は東横堀川、南は道頓堀川、西は木津川に囲まれた島であり、それらの川にかかる橋を封鎖されたら陸地の移動が出来ないことをあまり気づいていない。

気候  

 

全国的に夏期の連日の猛暑で熱中症で亡くなる人も急増、また、発生するたびに「これまで経験したことのない規模」と形容される台風による集中豪雨や土砂災害も日本各地で多発している。しかし、大阪では、この地に深く根付く「お節介精神」によって、声がけや助け合いが行われ、被害は全国最小レベルに抑えられている。

歴史

 

大阪人でも知らない人がいるが、奈良、京都より以前に難波宮という都があり、古墳も多いことから古い時代より中央にとって大切な場所であった。奈良に次いで、古い歴史を持っているが、大阪人はあまり誇らしく思っていないようだ。

大阪人は全体的に地元の歴史意識が薄かったが、『大阪読本』という大阪独自の副読本が幼児教育(絵本形式)、小学校、中学校と義務教育期間で積極的に活用されるに至り、日本最初の都が難波に作られ、大陸につながる日本の窓口として日本と世界を繋ぐ歴史を紡いできた重要な舞台となったとのが難波(大阪)であったことを自覚するに至りつつある。素朴な難波宮跡も緑豊かな観光公演となり、大阪城と並ぶ市民の憩いと観光客を誘うゲートウェイとなっている。戦国〜江戸は堺が世界に繋がる文化と商業の窓口として発展、茶の湯文化を京都一強で売り込まれていたが、利休は堺の人、茶文化を堺と大阪の文化の一つとして猛烈にアピールし、京都と並ぶ「茶の文化」の地として誇りを持ち始めている。万博でも大いにアピールしていく予定である。

人口

 

外国人に中之島の土地(マンション)が多く売られ、同一の国家に地域ごとに買い占められ、大阪の中心部に、中国人街、インド人街、インドネシア人街などが突如現れ、自治地区になった。

鶴橋地域を中心に、韓国系商店と住民が日本人を凌駕し、ほぼ韓国世界となっている。貨幣こそ円を使用しているが、wonも通用する。日常言語は韓国語化しつつあり、韓国本国からの移民急増で「韓国特区」への動きが高まる。

政治

 

大阪府は日本から独立して大阪国となった。住民投票で決まったBI(ベーシック・インカム)が導入され、芸術文化の都である。従来の都道府県からの入国には観光税が必要となり、大阪国の税収増に貢献している。

 

松井大阪市長が政界引退を早め、市長選が行われ、谷口まゆみさんが「大阪おばちゃん党」から出馬して当選した。

 

経済・産業

 

人手不足解消と生産性向上のため、介護・接客・建築など様々な現場にロボットが導入されている。

 

東大阪の金属加工業や精密機械業が力を合わせ、東大阪製の電気自動車を開発し、テスラを目標として府民を対象に投資募集が始まる。

 

関西では京都が文化芸術の都として君臨していたが、大阪が経済力の増強と比して、文化芸術の都の座も狙い始めた。最初は鼻で笑っていた京都や東京も、万博のタイミングなどを活かした強引なまでのアピールと経済力で、経済力がものをいう文化芸術分野を席巻する勢いである。「アートバーゼル」と連携する「アートナニワ」*の開催が決まり、儲かるアートの時代を大阪が中心となって促進していく。さらに、交通の便の良い大阪各地にアーティストや文化人の移住が進み、文化庁の大阪支部の開設も検討され始めた。アートナニワ* 世界のアート市場を牽引する「アートバーゼル」の大阪版

 

米食、米文化を大阪が牽引することで、全国に米を栽培し、新たな食文化を創出していく若者たちが増え、かつての「コシヒカリ」のように各地各地域独自の米文化を支える米農業が発達し、パンやパスタなどに最適な米の新種などが開発されて、新たな農業分野として発展が期待される。

生活

 

逆ドーナツ化現象により、大阪市内中心部の小学校生徒数が激増している。かつて生徒数が減った時に統廃合を繰り返した結果でもあり、物理的に教室数が不足し、新校舎を建て増しする学校が増えている。

 

タワーマンションならぬ、地下マンションが販売されるようになった。災害、有事に備え、シェルター機能が魅力。

 

来たる大阪万博に向け、空飛ぶたこ焼き、カラフルたこ焼きなど、映えや、バズるためのたこ焼き、ネット販売のたこ焼きなどの開発が盛んに行われている。

 

新型コロナの変異株が蔓延し、ピーク時には65才以上に外出禁止令が出された。

 

万博キャラクターミャクミャクに対抗して、タコ焼きマン、イカ焼きマン、グリコの両手あげポーズ、京セラドーム君など、飽和状態になるほどゆるキャラ的なものが増え、全国的に万博のアピールを始めている。ドラマ化、CM化もされ、朝や夕方の情報番組もひっぱりダコに。

 

大阪のおばちゃんが全国でとりあげられるようになり、ヒョウ柄ブームが爆発!女性誌は、これを着て万博へ行こう!とヒョウ柄特集を組み、PRADA、LOUIS VUITTONなどのハイブランドも、エコファーで動物愛護を訴えつつ、ヒョウ柄プリントのアパレルアイテムを発売し大ヒット!

 

食文化を誇る大阪でも、健康・エコ・アート志向の高まりと共に小麦から米文化への見直しとエコ製品がイケてる大阪人、進歩的文化人の象徴となり、粉もん文化が米文化へと変貌していく。パンやケーキは米粉使用が一般的となり、米パスタ、麺など食の世界が広がった。さらに日本の食料自給率と米の価格が下がり、米から産出される新しい食文化が大阪から生まれ、世界に誇る米食グルメの町として、米相場の地にふさわしい文化が一つ、生まれてた。

医療

 

新型コロナウィルスの新種変異株が蔓延し、住民全員が複数回罹患。エッセンシャルワーカーの自宅待機が急増しインフラが麻痺状態になっている。

 

コロナの抗原検査が、手指消毒をするのと同じぐらい簡易に出来るシステムが大阪大学医学部で開発され、日本全体に広まった。

 

マイナンバーカードの保険証利用が飛躍的に伸びて病歴や服薬履歴が徹底管理されるようになった。

 

主な歯科材料であるパラジウムが戦争によって高騰し、(大阪人の、高いものを嫌う体質により)事実上使用不可能になったことにより、歯の修復材料がほぼレジンというプラスチックになる。結果的に、硬いものを食べない大阪になった。

 

米文化の高まりに比例して食品アレルギーが激減し、アトピーなどの発生率が激減して行った。それにより、アトピー関連医療、医薬品分野が米の品種改良や新食品分野へと転換し、健康医療分野としての成果が期待されるところである。

 

教育

 

小中学校の教員が不足し、学校では授業ができずに自習の時間が増えた。その結果、子供たちは一人一台配布されたタブレット端末で電子書籍を自由に読めるようになり、読書する子供が増えた。

交通

 

水上交通が発達し、通勤・通学に船を利用する人が増えた。ガソリン価格の高騰が影響し、乗用車から公共交通機関へのシフトが進み、特に大阪市内では東西の移動に便利な船が見直されている。

 

大阪万博に向けて、水上交通が発達。水陸両用の乗り物が御堂筋などの主要道路を走るようになり、道頓堀、十三などからも頻繁に夢洲やUSJ、万博会場などにいけるようになる。

 

水上交通の発達は、乗り換え案内など大阪の総合的な交通案内の電子化の進化につながり、スマホで子供から高齢者まで使いこなす生活必需となる。雨、強風などで船が出せない場合はすぐに交通ポータルで連絡、混乱はない。自家用車が減った分、代替えのミニバスが迅速に差し向けられる。

 

水上交通が一般人にも普及し、船舶免許を取る人が増える。船も電気船の時代となり、車よりも安価な小型の船が発売される。交通の混雑緩和のため、信号も付けられるようになり、川を通って移動することが流行する。

文化

 

文化芸術関連の事業をすることへの支援・助成などが増え、展覧会や舞台などが町中で行われている状況に戻った。

 

中之島美術館に行くことを目的に大阪への旅行者が増えている。

 

安藤忠雄が設計した「こども本の森中之島」は、いつも入場予約が取れない。

スポーツ

 

逆ドーナツ化現象により、大阪市中心部の人口が増え小・中学校の教室が不足し、多くの学校で新校舎を建設するためにプールが取り壊された。この影響で民間の水泳教室に通う子どもが増えた。公立中学の運動部が民間委託されるようになったことも追い風となり、競泳だけではなく、アーティスティックスイミングや飛込競技、水球を教える大規模室内プールが相次いで開業している。

 

大阪市内では水上インフラの整備と並行して、水上スポーツを楽しめるエリアが増え、舞洲ではサップ(スタンドアップペダルボード)、淀川ではジェットスキー、大川ではボート競技を楽しむ人が増えている。

観光・史跡

 

新型コロナウイルス感染症の経口薬が開発され、海外旅行が爆発的に増加し、渡航先として、円安で物価も安く、清潔で文化度が高いという理由から一番人気となった日本が選ばれ、世界各国から観光客がやってきている。なかでも大阪・中之島は、世界に冠たる美術館・博物館の充実したエリアとして、国内外からの入場者を多く受け入れ、ミュージアムショップの売り上げも倍増した。

 

中之島美術館に行くことを目的に大阪への旅行者が増えている。

 

大阪名物粉物の材料に米粉を使ったものが増えた。小麦粉の値上がりと、他店との差別化をはかるため、食物アレルギーの人も同じものが食べられる、グルテンフリーの流行による。

 

街を歩きながら動物(ヒョウ柄やトラ、ライオンなどのアニマル柄のファッションの人)の生態を観察できる「まちなかサファリパーク」ができ、そこにこれまでなかった新種”ミャクミャク”や他の都市では見られない固有種も見られる。

 

道頓堀川をプールにする計画が再度立ち上がる。川に上下に巨大な浄水施設を作り、飲めるぐらいの水にして、泳いだり、釣りをしたり出来るようにし、川には屋台船が並ぶ計画が検討される。

エンターテインメント

 

「大阪中之島プロレス」が旗揚げされ、ご当地プロレス団体の代表的存在として全国的な人気を獲得している。所属レスラーは、スーパー・デリバティブ・マシーン1号、2号、マスクド取引所、米市場仮面、フェスティバル・キッド、ザ・グレート文楽、などで全員が独特の覆面やコスチュームを着用している。各レスラーが「デリバティブ固め」「先物スペシャル」「ライス・ウィザード」「ラリアット・フェスティバル」「文楽スープレックス」など、大阪の過去・現在・未来からイメージを得た様々なワザを繰り出し、「リング上の歴史パフォーマンス」や「動く歴史絵巻」などとも称され、演出面で高く評価されている。レフェリーはブルース中之島、リングアナウンサーは市役所広司。

 

「御堂筋歌劇団」が創設され、全国のミュージカルファンの注目を集めている。圧倒的な美しさを誇る土組(つちぐみ)トップスター「土城(つちしろ)かなた」のお披露目公演「ヨドヤバシのばら」がフェスティバルホールで上演されて、連日立ち見の出る盛況ぶりである。エレガントさと人情味を両立させた演出で、面白さや笑いだけが売り物ではないという大阪の懐(ふところ)の深さを醸し出して見る者を魅了し、「ヨドばら」ブームとも言える現象が起きている。 

 

面白いか、面白くないかの価値基準が古典芸能にも影響し、歌舞伎や文楽、能の脚本も笑える内容に変わっていき、どの劇場からも笑い声が聞こえるようになる。この内容は大阪でしか見られないため、全国から観客が押し寄せる。

 

文楽の新作「米市場千本桜」が中之島公会堂で上演され、連日満員の盛況となっている。人気演目の「義経千本桜」をベースにしたもので、狐ならぬ鼬(イタチ)が主役となった親子愛の人情話である。 

 

創作落語「大阪八景亡者戯」(おおさかばっけいもうじゃのたわむれ)が中之島公園内の特設寄席で上演され、連日大入りの盛況となっている。桂米朝が得意とした「地獄八景亡者戯」をベースにしたもので、今昔の大阪のエピソードやこの地に縁のある人物が登場し、笑いと涙たっぷりのストーリーが展開される。 

 

ミュージカル「公会堂の怪人」「イタチ・キング」「ゴダイ・トモアツ=スーパースター」、バレエ「イタチの湖」、オペラ「北新地の美容師」、スーパー歌舞伎「ヤマト・デリバティブ」、夢幻能「堂島川」など、各芸能の分野でオリジナル作品が生み出されて中之島の各地で上演されており、中之島は日本のブロードウェイと呼ばれるようになった。「大阪国際演劇フェスティバル」が毎年秋に開催されることも決まり、世界的な注目を集めている。 

対外関係

コロナの入国規制が緩和されて外国人(観光客、留学生、国際会議出席者、移民 etc.)が増えた。

 

台湾の主導権をめぐって、中国とアメリカが交戦し始めた。日本は完全に巻き込まれ、空母が必要と言われ造り出している。名村造船所跡も再稼働し始めた。憲法改正の国民投票の真っ最中である。

人物

司馬遼太郎、小松左京、山崎豊子、筒井康隆など、ノンフィクションやSFといった分野で日本を代表する作家が大阪から生まれている。大阪には根気強い取材力だけでなく、既成概念にとらわれない自由な発想をも育むという懐の深い、かつ、間口の広い土壌がある。

大阪府を舞台とした作品

『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督が、大阪の半地下を舞台にした映画を作成。アカデミー作品賞、アカデミー国際長編映画賞など数々の賞を受賞。

 

映画007シリーズの最新作が大阪を舞台に撮影されることが発表された。タイトルは「大阪より爆笑をこめて」(原題:From Osaka with Laughter)。ジェームズ・ボンド役を引退したダニエル・クレイグの後任は、ルックスが似ていて、かつ、屈強な肉体と紳士的な人柄を合わせ持つプロボクサーのゲンナジー・ゲンナジーヴィッチ・ゴロフキン(GGG)ではないかという噂がある。




 

​外部リンク

「中之島に鼬を放つ——大学博物館と共創するアート人材育成プログラム」公式サイト

大阪大学大学院人文学研究科・大阪大学総合学術博物館主催

https://nakanoshima-itachi.org

 

【行政資料】

国際金融都市OSAKA戦略

https://www.pref.osaka.lgch/39795/00000000/hontai(Japanese%20PDF).pdf

中之島まちづくり戦略

https://www.nakanoshima-style.com/pdf_council/vision_concept_20200605ver.pdf

グランドデザイン大阪

https://www.pref.osaka.lg.jp/daitoshimachi/granddesign/index.html

将来ビジョン大阪

https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/2794/00000000/r4shoraibijon-sirukoumoku.pdf

中之島スタイル.com

https://www.nakanoshima-style.com/

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