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 大阪大学大学院人文学研究科と大阪大学総合学術博物館とが推進するアート人材育成プログラム「中之島に鼬を放つ」の「〈場所のナラティブ〉都市のアルケオロジー」では、演劇公演「中之島デリバティブ」を開催します。この人材育成プログラムでは、学際性に富み、アーティストや地域社会との交渉能力を備えた、アート創造に関わることのできる人材を育成します。劇作家・演出家の林慎一郎が講師を務め、大阪大学発祥の地=大阪中之島についてのリサーチ・ワークショップを8月から行うことによって、アーティストと受講生、研究者が交流しながらアート実践を重ね大阪中之島をテーマにしたパフォーマンス公演を創作しました。大阪大学ならではのパフォーマンス作品をお楽しみください。

公演日 2022/10/07(金)
    ①14:00開演 ②18:30開演

会 場   吹田市文化会館メイシアター 小ホール

    〒564-0041 大阪府吹田市泉町2丁目29-1(Map

入場料   無料(要事前申込・全席自由席)

出 演 小竹立原 加藤智之(DanieLonely) 小坂浩之 橋本浩明

    近江由紀子 小野毅 琴浦香代子 田守彫科 西山宏 藤波愛琳 松田栄子 

舞台美術デザイン:柴田隆弘 照明:魚森理恵 音響:あなみふみ 舞台監督:西恵美子((有)感動制作所)

制作:奈良歩 / 山﨑達哉 / 鄭実香 稽古場協力:辰野株式会社 株式会社アートローグ 企画立案:永田靖

 

作:林慎⼀郎+「中之島に鼬を放つ」受講⽣ 演出:林慎一郎

Introduction

之島にはかつて「堂島米会所」と呼ばれる場所があった。
多くの蔵屋敷が立ち並び、全国から米が集まったこの場所では、米の「現物」取引だけはなく、将来の米の値段も取引された。これが世界に先駆けた、日本最初の「先物」取引ある。「堂島米会所」はその後、大阪株式取引所へと発展し日本の株式市場の一翼を担うが、株式の電子化が進んだ現代、ついにデリバティブ取引専門の取引所となる。

Derivative(デリバティブ)とは派生的、副次的を意味する言葉である。
先物取引のように、将来の売買についてあらかじめ約束をするデリバティブ取引は利益追求だけではなく、将来のリスク管理の側面も持ち合わせる。この概念は、大阪商人の知恵が生み出した発明だろう。

さて、2022年コロナも明けやらぬ中、その先の未来はボラティリティ(変動性)が大きい。

このリサーチパフォーマンスを通じて、中之島から派生(デリバティブ)した、1年後の大阪を見据えてみようと思う。それは、我々の暮らすこの町の将来を予測し、今を観察し続ける態度を促す行為となるだろう。これを中之島から大阪を俯瞰するパフォーマンス、「中之島デリバティブ」と名付けた。

 

林慎一郎(劇作家 / 演出家)
 

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